飯塚国際車いすテニス大会の歩み
飯塚で国際車いすテニス大会が開催されるようになったきっかけは、労働福祉事業団(現・独立行政法人労働者健康安全機構)総合せき損センターにおいて、脊髄損傷者のリハビリとして車いすテニスが導入されたことです。
総合せき損センターは、脊髄損傷の専門病院として救命救急の初期治療から患者の社会復帰まで一貫した医療を行っています。
1982年に車いすテニスが日本で紹介されると、いち早くそれを採り入れ、患者のリハビリに導入しようとしたのが、総合せき損センターのソーシャルワーカーでした。翌1983年には総合せき損センターの体育館において本格的に車いすテニスの練習が始まりました。福岡県だけでなく、隣県の山口、佐賀、熊本などからもはるばる練習に来る人も出てきました。
1984年に九州車いすテニスクラブが発足し、翌1985年に九州車いすテニスクラブと地元・飯塚ロータリークラブの主催により、第1回の飯塚国際車いすテニス大会が開催されました。飯塚で練習していた選手がハワイの大会に出場したことがきっかけで第1回目から国際大会を開催、大会名誉会長 故三笠宮寛仁親王殿下ご臨席の下、海外から14名の選手が参加しました。
1986年には日本初の車いすテニス協会となる九州車いすテニス協会を設立、2004年にはNPO法人となり、現在に至るまで、官公庁、企業、各種団体、学校、そして個人の皆さんに至るまで、たくさんの人々と共に毎年大会を支えています。
飯塚国際車いすテニス大会の始まり
車いすテニス大会の始まりが漫画になりました!
車いす使用者がスポーツを行うことにまだまだ理解が得られなかった1980年代。
そんな風潮に敢然と立ち向かった男たちがいた。
彼らが社会復帰のリハビリのために採り入れた車いすテニスはやがて車いすテニス世界6大大会の1つ、Japan Openへと発展していく。
Japan Openの紹介ムービー
外務省海外広報の日本の文化を紹介するYoutubeチャンネルにJapan Openが紹介されています!
飯塚国際車いすテニス大会のグレード
1990年の第6回大会で飯塚国際車いすテニス大会は世界ランキング認定大会に指定されました。2004年の第20回大会で飯塚国際車いすテニス大会はスーパーシリーズに格上げされ、現在世界6大大会の一つ、アジアでは最高峰の国際車いすテニス大会となっています。高いポイントを獲得するため、毎年世界約15か国から100名程のトッププレイヤーが参戦しています。
2018年の第34回大会では、障がい者スポーツ初となる「天皇杯・皇后杯」が下賜されました。
飯塚国際車いすテニス大会のボランティア
飯塚国際車いすテニス大会は、毎回延べ2,000名を超すボランティアが大会の運営支援にあたっています。官民一体となり、ボールパーソン、会場整備、輸送、メディカル、食事サービス、通訳、駐車場誘導といった様々な仕事を引き受け、大会を支えています。また、陸上自衛隊飯塚駐屯地の隊員が、会場設営や選手の送迎などの支援を行ったり、新人研修の一環として企業からボランティアが派遣されたりと、地域挙げてのホスピタリティーあふれる運営方式は「イイヅカ方式」と呼ばれるようになり、ITF(国際車いすテニス連盟)や世界各国から集まる選手たちに高い評価を受けています。
ボランティア数・観客数
年 | 回 | ボランティア数 | 観客数 |
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2010 | 第26回 | 約2000名 | 約2000名 |
2011 | 第27回 | 約2000名 | 約2000名 |
2012 | 第28回 | 約2000名 | 約3000名 |
2013 | 第29回 | 約2000名 | 約1500名 |
2014 | 第30回 | 約2000名 | 約1500名 |
2015 | 第31回 | 約2000名 | 約5000名 |
2016 | 第32回 | 約2000名 | 約3000名 |
2017 | 第33回 | 約2000名 | 約3000名 |
2018 | 第34回 | 約2000名 | 約6200名 |
2019 | 第35回 | 約2000名 | 約7100名 |
2020 | 第36回 | (中止) | (中止) |
2021 | 第37回 | (中止) | (中止) |
2022 | 第38回 | (中止) | (中止) |
2023 | 第39回 | 約1000名 | 約9000名 (最終日3,000名) |
沿革
1976年 | アメリカ カリフォルニアで車いすテニスが始まる。 |
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1982年 |
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1983年 | 脊髄専門病院・総合せき損センター(飯塚市)の体育館において車いすテニスの練習が始まる。 |
1984年 | 九州車いすテニスクラブ設立(会長:角田信昭) |
1985年 |
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1986年 |
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1990年 |
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1992年 | 筑豊ハイツに車いすトイレと車いすで使えるシャワー室が完成 |
1994年 |
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2002年 |
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2003年 | 2月 西日本スポーツ賞(体育功労賞) 受賞 |
2004年 |
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2006年 |
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2009年 |
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2013年 |
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2014年 |
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2016年 |
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2017年 |
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2018年 |
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2019年 |
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2020年 |
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2021年 |
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2022年 |
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2023年 |
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※大会中止の場合の大会名称につきまして
飯塚国際車いすテニス大会は、事業名「第●●回飯塚国際車いすテニス大会(Japan Open○○○○)」の●●(回数)と○○○○(年度)の数字を連動させております。
中止された場合、この事業名で予算を組んでいること、また、大会史上にこの中止された大会の存在意義を残すため、以降同じ回数・年度を使うことはございません。
よって、第36回大会のJapan Open 2020と第37回大会のJapan Open 2021と第38回大会のJapan Open 2022は中止となったため、次回は、第39回飯塚国際車いすテニス大会(Japan Open 2023)となります。